臨床栄養士から未経験の臨床開発業務に挑戦

臨床栄養も臨床開発も、患者さんを良くしたいという方向は同じで、似ていることが多く、経験が活かせてとても楽しいと感じます 

中西 花

Clinical Trial Manager

新卒から管理栄養士として6年間勤務後、海外留学を経てICONへCRAとして転職 

CRAを4年10ヶ月経験したあと、CTMに職種を変更し、現在に至る 

仕事内容を教えてください

Clinical Trial Manager(CTM)として働いています。 

働き始めてから、CTMをするには、臨床試験のプロジェクト運営だけでなく、想像以上に沢山の知識が必要なんだと驚きました。たとえば臨床試験ごとに扱う疾患は違いますし、試験で使用する資材なども異なります。通関関係の知識も必要になると知った時は驚きました。全部自分で回すのは不可能なので、色々な部署の方と一緒に連携して働きます。 

専門家の方々とのコミュニケーションをとりながら、連携していくというCTMの働き方が、以前に病院で経験した臨床栄養士の働き方と似ていて、すごくしっくりくる、自分に合っていると感じます。 

チームで働く時は、それぞれのメンバーの専門分野は違うけれど、臨床試験を成功させたいという気持ちは一緒、見ている方向は一緒なので、そこを大事にしながら、協力して進めていきたいと思います。大変だけど、面白いと思います。 

業務で英語はどれくらい使いますか?

ICCC(治験国内管理人)プロジェクトを担当しているので、毎日海外の方との会議があります。治験依頼者もプロジェクトマネジャーの方もヨーロッパの方です。 

彼らとの仕事を通して、論理的な説明、解決案の提案方法、英語を使ったプレゼン、ディスカッションの仕方が非常に勉強になりました。日本依頼者とのコミュニケーションの取り方と違う面も多々あり、自分自身が成長しないと対応できないことも多いですが、その分とてもやりがいを感じます。 

現在の仕事を担当されたきっかけは?

学生の頃テレビで、アメリカの病院で働く臨床栄養士さんが、医師や看護師と対等の立場で、患者さんの治療を栄養面から専門家としてサポートする姿を見て、もともとは臨床栄養士という仕事に憧れていました。また栄養にすごく興味もあり、管理栄養士として栄養療法に携わりたい、患者さんに貢献したいという気持ちが強かったんです。 

大学で臨床栄養を学んだあとは、海外留学をして現地の栄養士さんと会って話をしたり、日本の病院で管理栄養士として6年働いたりしました。病院では、自分で聴診器を持って患者さんの治療に携わらせていただけて、憧れていた働き方に近い働き方ができました。先進的な病院だったので、そこで臨床研究や学会発表などにも参加させていただき、とても勉強になりました。 

ただ、将来的には海外で働いてみたいという思いや、病院で経験した臨床研究もとても面白いと感じていたので、外資系のCROにキャリアを転向し、臨床開発の仕事に携わることにしました。 

CTMになったのは、CRA 3年目の時にチームの中で新人の方のサポートやチームリーダーを任せてもらえるようになり、CTMの方のマネジメントの様子を間近で勉強させてもらえたのが大きなきっかけでした。自分だったら治験依頼者とどのようにコミュニケーションするか、どんなチームづくりをするかと自分の中でイメージがつかめてきた頃に、周りの方からもCTMの公募への挑戦を進めていただき、内定し現在に至ります。 

臨床栄養も臨床開発も、患者さんを良くしたいという方向が一緒ですし、栄養学と薬理学も、似ているところが多いと感じますので、経験が活かせてとても楽しいと感じます。

今後はどんな仕事に挑戦したい?

正直まだ具体的なイメージがついていないのですが、やっぱり海外に挑戦したいなと思うので、グローバルな環境で働き続けたいと思います。 

まだまだ日本国内のマネジメントで精一杯なんですが、ゆくゆくは他の国もマネジメントできるようにキャリアを積み重ねていきたいです。 

将来的には、日本のCTMの存在意義を意識する必要があると思います。APAC(アジアパシフィック領域)をまとめてマネジメントできるようなスキルを身につけないと、取り残されていってしまうと思います。 

ICONの好きなところを教えてください

私はCRO未経験でICONに入社したので、他の会社と比較することはできないのですが、個人のスキルや意欲、ポテンシャルに合わせてある程度裁量を任せてもらえること、チャンスをいただけることはやりがいにつながっています。 

海外のスタッフとの距離が近く、大きな仕事に取り組めているという実感もモチベーションに繋がっています。